変化の伝え方も大切かもしれないという件

最近行く先々で「伝統は革新の繰り返し」という言葉をよく聞くようになりました。和装業界の中でも、ようやく新しい考え方や新しい方法を試そうという方が増えて来て、とてもウレシク思っています。

ところで、この「革新」といういう事に関してちょっと考えてみたいのですが、まずはその意味を調べてみると、

「新たに革(あらた)めることを意味し、既存のものをより適切と思われるものに変更することを意味する。」wikipedia

とあります。

つまりはじめに、既存(もともと)は何なのかということがわかる必要があって、そしてそれを新しいものと比べることで、どう適切に新しくしたのかがわかるということなのですね。

取材などで色々な新しい試みやチャレンジを拝見させていただく事も多くなってきて、最近思うのは、この既存がそもそもどういうものであったのか、そしてそこからどういう風に新しくなったのかということが、一般の人にわかりにくく、せっかくのチャレンジや試みがちゃんとユーザーに伝わっていないケースが多いのではないかという事です。

自分達にとっては画期的でとても大きな変化であるのだけれど、一般の消費者から見ると、どこがどう変わったのかが見えてこない。それは、変化の触れ幅の大きさや方向性の問題かもしれないし、伝え方の問題なのかもしれない。
いずれにしても、そこをもっと分かり易くしていかないと、せっかくの革新がただの繰り返しになってしまうような気がするのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

値札の本当の意味って。

昨日少し時間が空いたので、日本橋三越で行われていた、『千總 染繍衣裳展』をのぞいてきた。

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3月にFBでお伝えしたKITTEでの展示会と同様、その色といい柄といい、素晴らしい品々が並び、やはりここでも憧れの千總は健在。ただ、前回の展示会と違うのは、その品ひとつひとつに値札がついているところ。

というと、何だか下世話な話のようだけれど、これって結構そうでもないんじゃないかと私は思う。

値段=価値と考えるならば、技術だったり、手間だったり、時間だったり、そして創り手の心意気だったりが、このひとつの作品にどれだけ集約されているか、つまりは値札というものは、それが分かり易く表示されているということでもあるわけで、そうそう現実的なイヤラシサだけなものではないような気がする。

一般的に、着物は高い!というイメージがある。でも値札をみる事で、高いものだとン千万の値がつくこの着物が、ナゼそこまでの値段なのか?”という事を考え、それが着物への興味となれば、それはそれで良いのだと思うし、そう考えるとこの会場でも行われていた実演なんかも、また違った目で見られるかもしれない。

だからというわけでもないけれど、今回の展示会で、敢ての私のおススメは、このストール。これは、実は7階の会場ではなく、1階のエントランス近くに設けてあったブースにあったもの。

こちらの会場には小物類、扇子、スカーフそしてなんとビーサンまで、「進化する千總」とも言うべき品々が並べられていたのだけれど、その中でもひときわ異彩 を放っていた。

もちろんこれにも値札がついていて、スカーフの最高峰と言われるエルメス遥かに超えるお値段が書かれてあった。

皆様がどこかでこのストールを目にする機会があったならば、是非、ナゼこの値段なのか?
を考えながら見て欲しいなぁと思う。
 
 

 

 
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