コーディネートに必要悪はありか?

本日、渋谷からの帰りの電車の中で出会った3人のマダム。

一人は、推定年齢70代。

白のレースのワンピースにベーシュのスネークのパンプス。

アクセサリーは、グレージュの柔らかめのバッグの金具に合わせてリング、イヤリング、そしてブレスまで、夏らしく全てシルバーで統一。

それが、白いヘアにとても映えていて、“あ、この方はお洒落を楽しんでいるな”ということがよく分かる人。

もう一人は、推定年齢60代。

これまた白の比較的ボディーコンシャスなミニのワンピース。

ベージュのパンプスに質の良い長めパールを一本。

小さめの赤いバッグが、ベリーショートのヘアとよく合っていて、お洒落キャリアだなという雰囲気。 

そして、最後の一人。

推定年齢50代。

濃いめのピンクのカットソーにオレンジのボトムス。

ネイルも合わせてピンク、バッグは忘れてしまったけれど、ちょっと下世話な言い方をすると、“あぁ、お金掛けていますね。でもちょっとその組み合わせって・・・・”

という女性。

それぞれ、個性的で着るものを自分のものとして楽しんでいる人で興味深く観察したのですが、あくまでも私の感覚で言えば、最後のピンクのマダムだけは、どうしても自分の好みではない。

というか、いわゆる、趣味が悪いんじゃないかしら?と思ってしまう人・・・・。

が、実は、その車両で一番目立ち、オーラを放っていたのはピンクのマダムだったんですね。

 

そう言えば、往年の大スター美空ひばりさん。

(こんな言い方をすると、ファンに大目玉をくらいそうでちょっと怖いけれど、正直に言ってしまうと)趣味の悪さは天下一品。

でもそれがまた、彼女の個性となってその存在感を不動のものにしていたと私は思っています。

逆に云ったら、あまりに趣味の良さばかりのものでは、美空ひばりというスター自身の個性、オーラに太刀打ちできないということだったのかも知れません。

 

趣味が良い、センスが良いというのは周りの人をも良い気分にさせることができるし、それこそ、皆が憧れることでもあります。

でも、あまり趣味良く、お洒落、いわゆる、わびさびを意識しすぎるとただの地味な人になってしまう時ってあるんですよね。

これは、洋服でも着物でも同じ。 

自分自身のオーラを含めて、どこかひとつポイントがないと、スッと受け流されてしまう。だから、何かひとつポイントになるものを作る。

例えそれが、趣味が悪い必要悪なものであるとしても。

 

それにしても、本日のマダム。

3人とも太めではあったものの、ヒールのあるシューズを履いているのを見て、そういえば最近ヒールのある靴を履いていない自分に気付く私。

バレエシューズも、スニーカーもいいけれど、まずはヒールですかね。

 

 

関係ありませんが、薔薇❤️

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